オリュンポス十二神の一柱。
ギリシャ神話において絶対的な権力を握る最高位の女神であり、
全知全能の神ゼウスの姉であり正妻。
結婚や縁結び、家族、母性、貞操等の守護女神。
そしてヘラ自身も夫一筋で大変貞淑であり、生涯貞節を守り通した。
同時に大変嫉妬心が強く、浮気性の夫の不貞には大変厳しい。
ゼウスの愛人に容赦なく復讐する(時には子孫まで滅ぼす)という残酷な一面を持つ。
それゆえに嫉妬深い女神と言う印象が強い。
不貞を赦さないという性質が、夫婦の貞節、また家族の絆を司る女神といわれるところに由縁するものと思われる。
ヘラの女神官を務めたイオは大変美しい巫女であったが、ゼウスに身を任せよという天啓に従ってゼウスと結ばれる。
ヘラはこれを赦さないとし、100の眼を持つ怪物アルゴスに監視をさせ、監禁した。
アルゴスは常に何処かの目が開いているため、文字通り24時間態勢で監視されている状況だった。
ゼウスに命を受けた
伝令心ヘルメスに智策により、アルゴスはその首を剣で刎ねられ、イオは救出されて遠い地へと逃げ延びた。
ヘラはアルゴスの死を悼み、その百の眼を拾い上げ、愛鳥である孔雀に付けた。
それが羽根に眼のような模様のある孔雀になった由縁であり、ヘラの守護鳥となった。